AQUAさん
ベタは熱帯魚の中でも安価で小さな瓶に入れられて売っていることが多く、そのヒレの形や美しさから、はじめて見たときは、熱帯魚ではなく金魚のように思っている人もいるかもしれません。
ベタはもともと、タイのメコン川流域に住む熱帯魚です。田んぼや小さな水たまりのような、水かさが変化する場所にも住んでいるので、広々とした流れのあるような環境が得意ではありません。狭いところでも元気に暮らしています。最適な水温は24~28℃、と言われています。
無加温飼育はできるのか
結論から言うと、ベタの無加温飼育は可能です。ただ、水温が15℃を下回ると危険です。
家の中でも人が常にいる部屋であれば、夜間の室温低下を除けばほぼ、室温は20℃以上あるはずです。夜間の水温低下に気をつけて、ベタの飼育容器の水温が15℃を下回らないようにします。例えば、夜間の部屋の室温が10℃を切る、となると、水温も明け方までに下がってしまいます。そのような部屋では飼育は難しくなります。
ベタは18℃程度まで水温が下がると、餌の食いが極端に落ちます。反射的に餌を口に入れても吐き出したり、消化できなかったりするので、餌の量は落としたほうが無難です。
ベタの寿命との関係
ベタの寿命は1年半程度、と言われています。全長はベタの種類にもよりますが、6cm程度。大きさの割には、魚としては短命です。また魚は人間と違い、自ら体温を上げることはできない「変温動物」ですので、成長=代謝は水温に左右されます。
成長が止まり寿命を迎えるまでも当然代謝を繰り返すわけですが、水温が高いほうが代謝は活発になり、よく食べてよく糞をします。
しかし、低水温で飼育していると、代謝が落ちます。当然、餌の食いは悪くなるのですが、代謝が落ちるため成長が止まったベタにとっては「寿命」までのカウントダウンが長くなる場合があります。
つまり、低水温の方長生きするケースがある、ということです。これは、金魚やメダカなどの加温飼育、無加温飼育でも同様のことが起きることがあります。生き物は細胞分裂、代謝を繰り返しながら寿命を迎えるため、途中で病気にならない限りは、代謝が良すぎる、ということも寿命、という点からは良いことばかりではないようです。
もし、家に熱帯魚飼育水槽があったら、ベタの飼育容器をその近くに置いておくだけでも、温度が一定に保ちやすくなり、安全、と言えるかもしれません。
ベタの無加温飼育、ベタの様子をしっかり観察しながらトライしてみてください。ただし、あんまりベタに「寒い」想いをさせませんように。
ヒーターを使わず飼育できる熱帯魚5選!無加温飼育は種類選びがポイント