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ろ過フィルターの選び方

AQUAさん

アクアリウムを楽しむうえでろ過フィルターは必須といえます。魚にとっても、飼育を楽しむ人にとっても重要なフィルター選び。そもそもなぜろ過フィルターが必要なのか、種類ごとの特徴などもお話ししましょう。フィルター選びだけ読みたい人は前半は飛ばしてくださいね。

なぜろ過フィルターは必要なの?

水槽という閉鎖空間では、その環境そのものが私達に例えれば「地球」のようなもの。生き物たちは水槽の中でエサを食べて、排泄して成長しています。私達の暮らしの中ではトイレがあって、空気や水の中に有害な物質が出てこないように色々工夫されています。水槽の中では何かがその役割を果たしてくれないと、生き物にとっての環境はどんどん悪くなります。
自然界の魚や生き物は自分たちがより住みやすい環境を求めて移動していきます。でも水槽に暮らす生き物たちは映画のニモのように「水槽から脱出!」なんでできません。なので、私達飼育者がその環境づくりをしてあげなければなりません。ろ過フィルターが必要な理由は大きく2つあります。

なぜ必要? ① 水の流れをつくって酸素を取り込む

空気中の酸素を取り込み生活する人間同様、魚たちも水中の酸素を吸って、二酸化炭素を吐き出す「呼吸」をしています。水中に酸素が溶け込むには、エアーポンプで直接ぶくぶくと空気を送り込む方法もありますが、ろ過フィルターなどで水に流れをつくるだけでも酸素は溶け込みます。魚の匹数が多い場合はエアーポンプと併用することも必要です。ろ過フィルターによる水の流れと酸素は、魚以外にもほとんどの生き物(微生物など)にもプラスになります。酸素を嫌う嫌気性とよばれる微生物もいますが、彼らも酸素を好む微生物(好気性)とのバランスが保たれることで、結果的に飼育水を良い環境に導いてくれます。

なぜ必要? ② 飼育水をきれいに保つ

魚たちが暮らす以上、必ず水は汚れていきます。その汚れの正体は魚の糞や枯れた水草、またコケなど「目に見えるもの」とアンモニアや亜硝酸など水溶け込んで「目には見えないもの」に分かれます。見た目がキレイな状態なのに魚にとっては過酷な環境になっている、ということも実際にあります。ろ過フィルターはそうした「目に見えるゴミ」を物理的に取り除いたり、「目に見えない水中に溶け込んだ有害物質」を吸着したり、濾過バクテリアの力で分解したりします。物理的に取り除くにも、濾過バクテリアの力を使うにも、「水の流れ」が必要なわけで、止まった水では自然と同じような浄化作用は起きにくい、といえます。

フィルターの種類と特徴

AQUAさん

水槽サイズや飼育する魚種、水草育成の有無によっておすすめするフィルターは変わります。フィルターにより価格も異なりますが、ある程度お金をかけたほうが、結果的には飼育がラクになったりキレイな水の維持につながると思います。日本でよく使われている代表的なフィルターをそれぞれ見ていきましょう!
ろ過材交換がとにかく簡単!”外掛け式フィルター”の特徴 小型水槽の金魚飼育に最適! ”エアポンプ接続フィルター”の特徴  静音・省スペース。水草&メダカもOK”水中モーター式フィルター”の特徴 フィルター界のレジェンド。”上部設置フィルター”の特徴 水草インテリアと大型水槽ならコレ。”外部設置フィルター” オーソドックスだけど理にかなってる。”底面フィルター”の特徴

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各メーカーのフィルターを比べてみた記事はこちらから!
【比べてみよう!】水中投げ込み式フィルター【比べてみよう!】外掛け式フィルター【比べてみよう!】上部設置フィルター

アクアリウム用モーター(ポンプ)の仕組みを知っておこう

マグネットモーター

水槽に使用しているモーター型のフィルターは、現在ではほとんどマグネット式モーターを採用しています。ろ過フィルターの水を吸い込む部分にある黒い四角だったり円柱状の形状のボックスです。フィルター本体の内側に隠れている場合もあります。

マグネット式モーターとは、コイル(電線)を何重にも巻いた中心に筒状の穴を開けて、その中に円柱形のマグネットを入れます。コイルの中で変化する地場を利用してマグネットを回転させる構造で、接触する部分が少ないため比較的品質が安定しているのが特徴です。水の吐出口(排出側)や吸い込む側の位置はモーターにより異なります。回転はスムーズで音や振動が少ないのが利点ですが、ゴミや砂などが詰まったときや、吸込口にセットするスポンジが汚れて吸い込み抵抗が強くなると水流が弱くなりやすい、という欠点もあります。

もちろん、こまめに掃除すればその問題は起きません。構造自体に明確な寿命はありませんが、中で回っているマグネットの軸受部分が摩耗してくると、空回りしたりして水流の低下や異音が発生することがあります。マグネット部分は「インペラーシャフト」という部品で販売しているメーカーもあるので、その部分だけの交換で長期使用が可能です。

フィルター(ポンプ)のトラブル <止まった、弱くなった、異音> チェックポイント

クマトリ式ポンプ

もう1つの種類は「クマトリ式」と呼ばれる構造で、正式には隈取磁極型誘導電動機というたいそうな名称。扇風機用のモーターとして多用されていて、それを観賞魚用に取り入れました。歴史は長く、もう50年近く水槽用のポンプとしてがんばっています。マグネット式モーターのほとんどが水中に設置されるのに対して、クマトリ式ポンプは外に設置されるので、見分けがつきます。

現在では上部フィルターの一部の機種に使われています。一番の特徴はパワーがあることで、例えば、ポンプ内に汚れが溜まったとき、マグネット式モーターは水量がすぐに落ちますが、クマトリ式は相当がんばってくれます。ただ、クマトリ式はモーターの軸を接触しながら回すので、寿命がマグネット式に比べると短くなるのと、価格が高価です。

どちらを選ぶかは好みが分かれるところですが、昔ながらの上部フィルター以外はほぼ100%、マグネット式に変わっています。

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