水中に酸素を供給してくれる『エアレーション』は、酸欠のリスクを下げることができる飼育器具です。
ただ、「ろ過フィルターが動いていれば必要性を感じない」という人も少なくありません。たしかに、ろ過フィルターは水槽の水を循環させるだけでなく酸素も供給してくれますが、加えてエアレーションが必要な状況があるのも事実です。
今回は、熱帯魚飼育におけるエアレーションの必要性を考えていきます。
AQUAさん
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熱帯魚の飼育でエアレーションが必要な状況
熱帯魚の飼育では基本的にろ過フィルターを使用することが多いので、エアレーションをするためのエアーポンプが登場する機会は少ないでしょう。
しかし、ろ過フィルターだけでは酸素が供給しきれず、酸欠を起こしてしまう状況があるため、いつでも対処できるよう1つは持っておきたい飼育器具です。ここでは、エアレーションが必要な状況をご紹介しますので、当てはまるものがあれば、導入を検討してみてください。
過密飼育しているとき
水槽のサイズに対して魚の数が多い「過密飼育」では、より多くの酸素を消費するため酸欠につながってしまうことがあります。
特に外部式ろ過フィルターを使っている場合は、他のタイプと比べ若干酸素の供給量が少ないので気を付けましょう。水位を下げて吐出口と水面に落差を作り空気を含ませる方法もありますが、エアレーションの方が効果は高いです。
夏場の高水温
水温が上がると水中に溶け込むことができる酸素の量(溶存酸素量)が少なくなり、酸欠を起こしやすいです。
特に夏場に水槽用クーラーを使わず飼育する場合は注意してください。エアレーションをすれば酸欠だけでなく、気化熱による冷却効果も期待できます。
油膜が気になる
水面を覆って観賞性を下げてしまう「油膜」は、エアレーションによって防ぐことができます。
泡が水面を揺らして油膜を抑える効果があるので、気になる場合は導入してみてください。その他の対策としては、「ブラックモーリー」が油膜を食べてくれるメンテナンスフィッシュとして知られています。
【熱帯魚・卵胎生メダカ】 ブラックモーリー ■サイズ:Mサイズ (30匹)
【不快なトラブルを解決!】水面に浮く油膜の原因と対策!薬浴やろ過フィルターが止まった緊急時に
薬浴や塩水浴するときは基本的にろ過フィルターを使わないので、エアレーションが必須です。
酸素の供給はもちろん、水を循環させることで水質の悪化を防ぐことができます。また、ろ過フィルターの故障や停電など、緊急時のためにエアレーション用のエアーポンプを1つ持っておくと良いでしょう。
なかでも、電気がない状況でも使用できる「乾電池式」が便利です。
ハピソン(Hapyson) 乾電池式エアーポンプ YH-708B
エアレーションするなら「水しぶき」対策を!
エアレーションすると、水面で泡が弾けるときに水しぶきが飛びます。
この水しぶきが意外と厄介で、
- 水漏れ
- 照明の故障
- 床や水槽台が傷む
など、トラブルの原因になることもあります。エアレーションする場合は、必ずフタを閉めて水しぶきが飛ばないようにしましょう。
また、水槽内に「バブルストッパー」を設置するのも効果的です。
バイオラボトット (TOTTO) バブルストッパー ミニ
エアレーションで飛び散る水しぶきのリスクと対策を解説!エアレーションを活用して熱帯魚を上手く飼育しよう
エアレーションをすると効率良く酸素を供給できますが、すべての水槽に必要なわけではありません。
しかし、飼育を続けていれば、
- 過密飼育
- 夏場の高水温
- 油膜が気になる
- 薬浴やろ過フィルターが止まった緊急時
といった場面に遭遇することも珍しくないので、いざというときのために用意しておくことをおすすめします。エアレーションを上手く活用して熱帯魚を飼育しましょう。
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