AQUAさん
日本のペット関連業界団体のペットフード協会では毎年年末に犬猫飼育に関する調査データを公表しています。その中に観賞魚飼育率などに関するデータもあります。そこから少し、深堀りしていきましょう。
参考 令和元年ペット飼育実態調査一般財団法人ペットフード協会
このページの目次
現在飼育率 どれくらいの割合の人が飼育をしているか
めだおさん
AQUAさん
かなこさん
AQUAさん
熱帯魚飼育ブームの時代
過去の観賞魚飼育率データを見てみると、ピークは1994年前後でした。メダカは現在の飼育率と差がありませんが、熱帯魚と金魚の飼育率は現在よりも高かった、というデータが残っています。当時、熱帯魚飼育は「ブーム」と言われていて、バブル期が終わったあたりから一般家庭にも熱帯魚飼育が広がっていきました。熱帯魚がいる家やお部屋にステータスがあるようなイメージがあって、TVドラマでも「いい暮らしの象徴」のような演出がされていました。
熱帯魚は毎月新しい種類が海外から輸入され、熱帯魚専門誌でも次々に紹介されていたことから、コレクションを楽しんだり珍しいものに関心の高い男性ファンを惹きつけました。
しかし、すべての熱帯魚が簡単に飼育できるわけではなく、飼育にトライしてみたものの、水換えの手間から飼育から遠ざかって最後には魚が死んでしまったりと、飼育が長続きしないユーザーがたくさんいたことも事実です。
熱帯魚飼育、という「魚」が主役の趣味としてはスタンダードになりきれなかったものの、その後、「アクアリウム」というインテリアの中での熱帯魚の位置づけで再び飼育者が増え始めた、というのが現在までの流れです。
金魚飼育率は小学生の数と相関性がある
一方の金魚飼育率を過去20年単位で見てみると、金魚飼育率の減少推移は日本の小学生の数の減少推移とほぼ一致します。子供が縁日の金魚すくいで金魚をゲットして家に持ち帰り、家族で金魚飼育をスタートする。毎年、夏になるとお祭り金魚が増えていく、という光景を見たこと、経験したことがある人も多いと思います。
その流れが大きく変わったのは、2010年代に入り「一人で遊べるゲーム機」が子供の間に一気に広がったころです。小学生の減少数を上回り、金魚飼育率が減少し始めました。
子供の視点で考えてみればその流れは必然で、金魚すくいは子供にとって「ゲーム」です。「金魚すくいしたい、金魚ほしい!」という言葉は、金魚を飼いたい、というよりも、金魚を自分の力で手に入れたい、という子供ならではの欲求です。
その欲求の大半が手の平サイズのゲーム機で満たされてしまえば、金魚すくいをする必要もなくなります。実際に、子供向けのヒットゲームには何かを集めてコレクションする、そんな内容のものも多いですね。
では、このままでいいのでしょうか。やはり、命あるものから子供が学ぶことは多いですし、自分が小さな命に関わる、という経験はゲームでは体験できない、貴重なものだと私たちは考えています。
観賞魚飼育に関するデータからは世の中の流れも読み取れます。当サイトとしても飼育率が一層向上するようなコンテンツをもっともっと充実させて、アクアリウム業界の発展と飼育者のみなさまのお悩み解決につながる運営を目指していきます。