魚の病気や体調不良は見て取れるものばかりではありません。
体には異常がないように見えても、危険信号を発していることがあります。そのような場合は魚の泳ぎ方や呼吸の速さ、泳いでいる場所が普段と違うなど、普段と違う点があります。
今回は、魚の動きを見て水質を判別する方法を解説します。
魚を見て水質の良し悪しを判別しよう!
金魚や熱帯魚、メダカなど、魚は水質の影響大きく受けます。
水質が良ければ、いきいきと水槽内を泳ぎ回りますが悪いとどこか不自然な泳ぎ方をすることも珍しくはありません。魚の動きの変化は水質を判別する指標になるだけでなく、病気の早期発見にもつながります。
ここでは、水質によって魚がどのような動きをするのかご紹介します。一つでも当てはまると要注意です。
餌を食べない
魚は餌を食べることで栄養を得ます。
生きるために欠かせないことなので、餌を食べない状態は水槽内に“異変”が起きている可能性が高いです。長期化すると衰弱したり病状が悪化したりと命をおびやかす事態になりかねません。
この挙動だけでは原因を特定するのは難しいため、後述する動きの変化と合わせて判別してみてください。
呼吸が速い
普段と比べて呼吸が速いようであれば酸欠の可能性があります。
魚は鰓に水を通すことで呼吸しますが、水中の酸素が少ないと呼吸を速めてより多くの酸素を取り込もうとします。特に表層や水面付近でこのような動きがあれば、酸欠の可能性が高いです。冬場よりも夏場は要注意。酸素は水温が上がると溶け込みにくいため、高水温になりやすい夏場は酸欠の危険性が高まります。
酸欠になってしばらく経過した状態は危険なので、すぐに水換えをして対処しましょう。落ち着いたらエアレーションを増やして酸素の供給量を増やします。
また、水槽にいる大半の魚が同じように速い呼吸をしている場合は酸欠の可能性が高いのですが、一匹だけであれば他の原因を疑いましょう。
動きがにぶく底や物陰でじっとしている
水質が悪化すると動きがにぶくなることがあります。
水が汚れている水槽は魚が住みにくい環境なので、魚種によっては大きなストレスを受けてしまいます。また、バクテリアによる分解が上手くいっていないとアンモニアや亜硝酸中毒になり、魚の動きが緩慢になることも。中毒症状であれば、放っておくと水槽内の魚が全滅しかねません。
試験紙でアンモニアや亜硝酸塩の濃度を測り、値が高ければ早急に水換えをしましょう。また、水質悪化によるストレスをかけないためにも定期的なメンテナンスが重要です。
テトラ (Tetra) テスト 6 in 1 試験紙
暴れるように泳ぎ回る
動きがにぶいのも問題ですが反対に暴れるような泳ぎ方も良くありません。
魚は水質が悪いとその環境から逃げるために動きまわったり飛び跳ねたりなど、普段と違った突発的な動きをすることがあります。水質の悪化が原因であれば、水換えで対処できますがpHショックの場合もあります。
pHショックはpHが急変することで起こるため、新しく魚を水槽に入れたり水換えしたりなどの際は要注意です。pHショックになると回復は難しいので、水合わせをしっかり行う、大がかりな水換えを控え少量をこまめにするなどして水質の急変を防ぎましょう。
魚の異変に気付くためには普段のチェックが大切!
魚がおかしな動きをしていても、普段あまりチェックしていなければ見逃してしまいます。
動きの変化は魚からのSOSと言っても過言ではありません。健康的に過ごしてもらうためにも、ちょっとした異変に気付けるだけの観察眼を養う必要があります。
そのためには愛情を持って接することが一番の近道です。