みどりさん
AQUAさん
水槽はキラキラ輝く水であることこそ、一番美しい状態。自然界でも上流の渓谷や湖は高い透明度で非常に美しいものです。でも、実際に飼育をしていると頻繁に発生する「濁り」。いつまでたっても濁りが解消されない、そんなお悩みもよく聞きます。なぜ濁りは発生するのでしょうか。
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濁りの種類は大きく分けて3つ
水槽で発生する濁りには大きく分けて3つの種類があります。その種類によって対策も異なります。
1,物理的な濁り
主に発生するのは砂から出る細かい粉、流木のアク(飼育水を黄色、茶色にしてしまう)、沈殿物などの汚れから発生するモヤモヤ濁りなどがあります。砂の場合はよく洗えば解決しますが、流木の場合はアク抜きをしないと長期間に渡ってアクが出続けます。沈殿物からの汚れはフィルターがしっかり機能していれば発生することはあまりありません。
砂から出る粉、汚れからの汚れは細かい粒子が舞っている状態なので、それらを寄せ集める凝集剤を使えば、大きな塊となってフィルターで処理できるので比較的簡単に解決します。
流木のアクはいくつか処理する方法がありますが、一番いいのは「アク抜き処理済」と書かれた流木を買うことです。しかし、アク抜き済みと書かれていてもアクが出ることがありますので、やはりアク抜き処理を購入後にしておくほうがよいでしょう。流木のアクを吸着する吸着剤も売られています。効果が続く限り黄ばみや茶色い色を処理しますが、効果がなくなるとまた色が溶け出します。
★流木のアク抜き方法
- 鍋に流木を入れて煮沸する
鍋の大きさ以上の流木は煮沸できない、という弱点。アク抜きの方法としては最強かもしれません。 - 水に入れて長期間放置
とにかく長期間沈めておく。長いときは2ヶ月とか3ヶ月。水槽に入れて使うとしても同じことですが…
2,植物性の濁り
コケやアオコに由来する濁り。緑色っぽくなるのが特徴。この濁りは凝集剤でほとんど解決できます。しかし、原因を取り除こうとすると、光の問題よりも水質の問題が大きいので、水換え、ろ過機能の見直しをすることが必要です。まずは水換えをして様子を見ましょう。
3,微生物による濁り
濁りの問題で一番やっかいなのはこの微生物による濁りです。濾過バクテリアのバランスが崩れている状態で、白っぽく水が濁ります。状態にもよりますが、うっすらとスッキリしない程度の濁りなので、何となく「透明感がない」という一番ストレスが溜まる水の状態です。
この濁りがやっかいなのは、解決策が「水槽環境そのものを変える必要がある」ことにあります。稀に、水質が改善方向に向かう途中過程で白濁りが発生することがありますので、しばらく様子を見る、ということは選択肢の一つ。
ただ、酸素を消費するバクテリアが大量に発生すると、酸欠の原因になることもあります。まずは水換えをしてみて様子を見る必要がありますが、ポイントは一度にたくさんの水を換えるのではなく、毎日水槽水位の5cmくらいを一週間換える、という方法が有効です。
一度に多くの水を換えると、そのショックがまた濾過バクテリアのバランスを崩す原因になり、永遠と水がにごり続けるスパイラルに入ります。「様子を見る」こと、水を少しずつ換える、という方法を試してみましょう。
濁りは魚にとって害があるの?
様々な種類の濁り。それらは魚にとって害があるのでしょうか。答えはほとんどの場合、害はありません。バクテリアバランスの崩れによって微生物が大量に発生して濁った場合、酸素を大量に消費することで魚が酸欠になりやすくなることはあります。しかし、それ以外の濁りの場合は魚にとってはほとんど無害の場合が多く、「見た目」の問題、となります。