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グッピーの繁殖で気をつけることと「稚魚を食べてしまう」対策について

AQUAさん

きれいなグッピーを自分で育てる、とっても楽しいですね。小さな稚魚が成長するにつれて、体に美しい模様を纏っていく。育てる甲斐のある熱帯魚です。

様々な色や柄に改良されたグッピー。もともとは南米ベネズエラに住んでいる、メダカにちょっとだけ色のついた魚ですが、長い期間の改良家たちの努力でたくさんの品種が生まれました。

グッピー飼育の楽しみはなんと言っても「繁殖させ稚魚を育てる」こと。今回はグッピーの繁殖について説明していきます。

外国産グッピーと国産グッピー

輸入される外国産のグッピーと、国産のグッピーでは親魚の大きさが違うこともあります。平均的には、国産グッピーのメスのほうが体格もしっかりしていて、大型の個体が多く、反対にオスは外国産の方が大柄ですが、尾ヒレの大きさや美しさは、国産のほうが立派な個体が多い特徴があります。飼育した経験では、国産グッピーの方が繁殖もしやすいのでは、と思います。

↑国産グッピー

外国産のグッピーは日本の水とは違う環境で育てられ、長い距離を空輸されてくるため、店頭での健康状態をチェックすることが重要です。ヒレをピンと張って、元気に泳ぎ回っている個体を選びましょう。また、外国産のグッピーも、一世代育てた個体は水にも慣れて非常に丈夫です。

国産グッピーのほとんどは、オスとメスを品種ごとに管理しています。外国産グッピーの場合はオスは品種別になっていても、メスはごちゃまぜに売っていることもあります。繁殖の結果、雑種をつくりたくない場合は、同じ品種のオスとメスを選ぶ必要があります。

グッピーはどれくらいの周期で子供を産むのか

グッピーは非常に繁殖力の強い魚で、健康なオスとメスがいればおおよそ25日から30日周期で出産します。一回に産む子供の数はメス親の大きさによって差がありますが、大きなメス親だと100匹近くを産むこともあります。

生まれた子供はすでに小さなエサを食べられる大きさですので、外敵がいない限り、どんどん成長していきます。稚魚用のエサも売られていますが、親魚と同じエサをすりつぶしても十分に食べることができます。

グッピーは一度交尾すると、2~3回は出産を繰り返します。ですので、一度出産を終えたメスをオスと隔離していても、その後2回くらいは出産をします。体の大きなメスが複数匹水槽内いて、且つ、稚魚が親魚に食べられないような環境だと、あっという間に水槽は稚魚だらけになります。

親魚が稚魚を食べてしまう原因とその対策

グッピーは雑食性ですがどちらかというと肉食性が強いため、稚魚を「エサ」と認識すると次々に追いかけて食べてしまいます。実際、水槽内で稚魚を「エサ」と思わない親魚しかいない場合、親魚は稚魚に関心を示しません。ところが、何かのきっかけでエサ、と認識すると、その水槽内の親魚たちはみな稚魚を追いかけるようになります。

グッピーの稚魚は生まれたときに6-7mm程度です。一週間もすると1.2mm程度になり、それくらいになると、親魚も「口に入らない」と思うのか、追いかけることはほとんどなくなります。つまり、食べられてしまう稚魚は、そこまで成長するまでに捕食されてしまう、ということです。

産卵箱などで出産をさせても、その箱の中で生んだばかりの稚魚を食べてしまう、肉食性の強い親魚もいます。

また、親魚が小さい場合も稚魚は食べられることはなくなります。親魚の大きさに関係なく、稚魚は同じ大きさです。小型の親であれば、追いかけることはあっても食べることはほとんどありません。

しかしこれはグッピー同士の話であって、たとえばカラシン科の小型魚などは、小さな体でも肉食性がより強いため、グッピーの稚魚を食べてしまいます。混泳の際には気をつけましょう。

対策

稚魚を親魚に捕食させない簡単な方法は、隔離することです。隔離して1-2週間育てれば、ほとんど食べられることはなくなります。

しかし隔離が難しい場合もあります。そのときは浮草が役に立ちます。グッピーの稚魚はエサを探すために、はじめは水槽内の宙層を群れていても、いずれ水面近くに浮いてきます。そして親魚に追いかけられて水槽の隅に追い込まれると、逃げ場を失って食べられてしまいます。

そこで、ウォータースプライトや金魚藻、アナカリス、カモンバなど、水面近くでも育成する水草を特に水槽の隅のほうに固めておきます。親魚が入り込みにくいように、ゴソッと固めておくのがポイントです。

そうすることによって、稚魚はその中に逃げ込み、エサも余ったものが流れ着いてくるので稚魚も食べることができます。足りないようであれば、水草のかたまりの中に落としてあげるとよいでしょう。

水草のかたまりからちょっと出ては逃げ込みながら成長する稚魚の姿を見ることができると思います。

そうして、稚魚を追いかけることができなくなってきた親は、最終的には稚魚を「エサ」と認識することがなくなり、追いかけなくなる可能性も高まります。そうすれば、より平和なグッピー水槽環境ができあがります。