AQUAさん
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病気の魚によるある予兆
食欲がなくなる
病気にかかっている魚は食欲がなくなります。他の魚に比べてエサ喰いが悪い場合は、じっくり観察してみましょう。ただし、混泳水槽の場合、他の魚に邪魔されたりいじめられたりしてエサを食べられない、というケースもあります。
ヒレをたたみじっとしている
ヒレをたたんで水槽の隅でじっとしている魚はすでに弱っています。水槽の中では弱い魚はいじめられたり、最悪食べられてしまうので、逃げている状態。まだ助かる状態なら隔離してあげましょう。
体を砂や水草にこすりつける
体についた寄生虫や菌を取ろうと自らの体をこすりつけます。まだ元気なうちの動作なので、この時期に対処すれば治癒の確率は高まります。
病気の種類と対策、治癒の現実
白点病
【症状】
体やヒレに白い点々がつきます。最初は1個、2個、という少数ですが放置すると体中に広がり、病気の魚から離れた白点虫が更に他の魚にも寄生していきます。抵抗力のない魚ほどかかりやすい病気です。肉眼では見えないくらいの白点虫が寄生すると、魚は砂や水草に体をこすりつけるような仕草をすることがあります。
【原因とかかりやすいタイミング】
白点虫が寄生することで発病します。飼育水中に白点虫が存在している場合でも、魚の抵抗力が高ければ感染しないこともあります。水温が下がったときや、水換え、掃除のあとの水質急変で魚の抵抗力が下がったときに、水中に白点虫がいると感染することが多いので、水質や水温の変化はなるべく少ないような飼育の仕方を心がけましょう。
また、金魚すくいなどで新しい魚を水槽に入れたあと、新しい魚や一緒に袋に入っていた水に白点虫がいて、感染につながることもあります。熱帯魚店などではそうしたことを防ぐために、入荷後すぐには出荷しない店もありますが、金魚すくいの金魚は、水槽に入れる前にしばらく隔離するなどしたほうが安心です。
【対策と治療法】
白点病は処置さえしっかりすれば、比較的治癒しやすい病気です。しかし、体中が白点だらけになったしまったような状態では、薬をつかっても手遅れの場合もあります。最初に白点を見つけてから3日もすると体中真っ白、というスピードで広がることもあるので、何より早期治療が大切です。
白点病の治療薬にはメチレンブルーがありますが、メチレンブルーを水槽に入れると白点虫も駆除しますが、水草、微生物などすべての生き物に影響を与えます。例えば水草をたくさん植えている水槽にメチレンブルーを入れた場合、砂や濾過材にも薬剤は残りますので、しばらくの間は水草も育たなくなり枯れてしまうこともあります。
ですので、当サイトでは、すべての薬浴(魚を薬で治療すること)をする場合は、小型容器などに隔離して治療することを推奨しています。→詳しくはこちら
また白点虫は高水温下で活動が鈍くなります。体をこすりつけているような動作が見られたら、まずは水温を30℃近くまで上げてみて様子を見ることも一つの手段。そのまま白点虫が発生しなければ、そのまま様子をみても構いません。
もし白点虫が確認できたら、まずはその魚を隔離して薬浴、残った水槽は水温を上げて様子見をする。もしくは、水槽にいる魚すべてを隔離して別の水槽で薬浴させます。
白点虫は魚に寄生し、寄生した魚から離れ増殖を繰り返します。つまり、魚がいない環境では増殖できず、3日も放置すれば死滅します。魚のいない水槽はそのまま放置し、魚を最長で一週間別水槽で薬浴させれば、ほぼ完治させることができます。治療中はエサは与えません。
もし、飼育している水槽でメチレンブルーを使用した場合は、治療後に砂、濾過材をしっかりと洗い、メチレンブルーの成分を取り除かないと、水草育成や微生物の繁殖に影響が出ます。
尾ぐされ病(カラムナリス感染症)
腐ってしまったヒレは再生しません。なので早めの治療を。
【症状】
尾びれや背びれなどが透明感を失いボロボロになっていきます。放置すると体表や全身に腐った状態が広がります。口の先端やエラなどに感染が広がると呼吸にも影響しすぐに死んでしまうこともあります。
【対策と治療法】
細菌感染の病気なので白点病と同様、魚の抵抗力が影響します。他の魚にも感染が広がりますので、隔離治療が必要です。菌は水質が悪化していると繁殖しやすくなるため、水換えの頻度を上げることも対策の一つとなります。ニューグリーンFなどの治療薬で薬浴させます。→詳しくはこちら
松かさ病
比較的よく経験するが、不治の病とも言われる恐ろしい病気。
【症状】
体が丸く膨らみ鱗が逆立ちます。魚は食欲をなくし1週間ほどで死んでしまいます。金魚だけでなくグッピーなどもよくかかります。
【対策と治療法】
残念ながら原因は特定されていません。他の魚に感染するかどうかもわかっていませんが、感染の確率は低い、と考えられます。松かさ病で死んだ魚を解剖すると、内臓はほぼ腐って腐敗していることがあり、原因は内臓疾患であることはほぼ間違いありません。
鱗を逆立てる理由は、内臓で腐敗が進みその熱を放出させるために鱗を逆立てて体表面積を増やそうとしている、という説もあります。
内臓で腐敗するのはエサであり、もともと腐敗が進んだエサを与える、水温の変化で消化ができずエサが体内に留まり腐敗する、なども考えられるため、「鮮度のよいエサ」と「水質や水温」が一番の予防策、とも言えます。
グリーンFなどの治療薬を進める場合もありますが、上記のとおり原因がはっきりとせず、内臓が腐敗する、という事実だけに照らし合わせると、魚自身の回復力に頼った治療法を選択するしかありません。まずは体力が低下し弱った個体を見つけ、松かさ病の疑いを感じたら早めに隔離し、塩分濃度0.5%程度で塩浴させます。
塩分の消毒作用を期待するだけでなく、浸透圧の差をなくし魚の負担を減らすことで魚自身の治癒力を発揮させ、回復を狙います。
ただし、松かさ病は回復事例は少ないため、普段の水質管理に力を入れるほうが良いともいえます。
水カビ病・白雲病(ワタカブリ病)
怪我から広がる病気。傷をみたらまずは薬浴。
【症状】
体表に白い綿のようなものが付着し、ふわっとした粘膜状の塊まで発展することもあります。
【原因】
体表の傷が原因となり細菌に感染します。魚同士の喧嘩や、網ですくったときの傷が原因となることもあります。
【対策】
メチレンブルーなどでの薬浴をします。カビが大きく広がる前に治療することがポイントです。
お薬の種類
一番メジャーな魚病薬 メチレンブルー (白点病、尾腐れ病など)