AQUAさん
水槽にたっぷりの酸素が溶け込んでいることは、魚にとっても、ろ過を助ける微生物、バクテリアにとっても重要です。「エアーポンプを使ってないけど、酸素は溶け込んでいるの?」とよく質問されます。少し解説しましょう!
酸素は水面が動くだけでも水中に溶け込む
ぶくぶくの泡が水中にシュワ~っと混ざっていかないと、酸素が溶け込んでいないように感じるかもしれませんが、自然の河川と同じように水槽でも「水面に動きがある」だけで酸素は水中に溶け込んでいきます。
例えばフィルターで水面に波を立てるようなセッティングをすれば、エアーポンプを使わなくても酸素は供給されます。フィルターの吐出口(水の出口)を真下ではなく、水面方向に向ける、などで水面に波をつくることができます。しかし、吐出パイプなどを水中に沈めて使うばど、水面の動きを作らないようなセッティングをすると、溶け込む酸素量は低下します。
CO2(二酸化炭素)を供給して水草育成をする場合は、酸素が溶け込むことで二酸化炭素が水中外に出てしまうので、あえて水面を動かさないセッティングをする場合もあります。
夏場は注意。溶存酸素量の話。
夏場は水槽に溶け込む酸素量が減っていきます。水中に溶け込む酸素量は気圧や水温の影響を受けますが、一般的に気圧変化は一定、とすると水温20℃と35℃では実に20%も水中の酸素量(溶存酸素量)は低下します。
夏場に魚が弱ってしまったり、エビが死んでしまったりすることがありますが、何となく「熱さで弱ったり死んでしまったのかな」と思うかもしれません。しかし実際は、温度そのものの影響よりも、水温が上昇した結果、酸素量が足りなくなったことが大半です。
それを防ぐには酸素を供給するしかありません。フィルターだけで足りない場合も起きるので、夏場、特に金魚など体の大きな魚を飼育する場合はエアーポンプの使用が安心です。